リデュース・リユース・リサイクル推進協議会講演会の開催について
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会では消費者・教育機関・産業界・行政など多くの団体が連携し日本全国で3Rを推し進めてゆくことを目的とし、国民的運動を展開することを使命とし3R推進功労者の表彰や3Rキャンペーンマークの使用などの活動を行っております。
昨年に引き続き協議会活動の活発化 並びに会員の皆様の相互理解を深めるため情報交換会の開催を実施致しました。本年度は協議会活動の活性化の一環として、総会終了後協議会会員団体並びに会員団体の会員企業を対象としてリデュース・リユース・リサイクル推進協議会講演会を開催いたしました。
本講演会では、細田会長並びに経済産業省リサイクル推進課 渡邊課長、環境省リサイクル推進室 庄子室長から講演を頂くと共に、リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰「経済産業大臣賞」を受賞された日産自動車永田様、星野リゾート様から受賞に至る取り組みについて講演頂きました。
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会
企画運営委員会 情報交換会WG長
加藤 聡(ガラス再資源化協議会 代表幹事)
【開催概要】
日 時: 2013年5月28日(火曜日)14:50~17:00
会 場: 商工会館
- 開会のご挨拶
- 14:50 ~ 14:55
- 経済産業省の3R政策への取組
- 経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課長 渡邊 厚夫
- はじめに、資源循環(3R政策)の推進について、現状の制度の概要を説明しました。また、本年度はいくつかの個別リサイクル法の見直しが行われること及びリサイクル政策の重要性が益々向上していることを説明しました。
次に、資源確保とリサイクルについて、レアメタルのリサイクルに係る現状と今後の対応策について説明しました。また、小型電子機器リサイクル法が制定されたことを紹介しました。
最後に、再資源化産業の国際展開支援の取組について、日本企業のアジア各国での事業展開の状況及び、日本の先進的技術・システムがアジアの環境負荷低減に寄与している旨を説明しました。 - 14:55 ~ 15:10
- 循環型社会の形成に向けて ~各リサイクル法の取り組み~
- 環境省 廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室長 庄子 真憲
- 冒頭に、平成25年5月31日に閣議決定の「第3次循環型社会形成推進基本計画」について述べ、2R(リデュース・リユース)の取組みがより進む社会経済システムの構築や、使用済製品からの有用金属の回収と水平リサイクル等の高度なリサイクルの推進などが、今後の循環型社会施策の基本的方向であることを紹介しました。
そして、その具体的な取組みとして、まず平成25年4月に施行された「小型家電リサイクル法」を取り上げ、法律の概要、政令で定めた対象品目など制度のスキームや、本格施行に向けた動きについて説明しました。
また、これから制度の見直し作業が予定されている「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」「食品リサイクル法」について、最近の施行状況を示すとともに、それぞれの法律を取り巻く課題などについて触れました。 - 15:10 ~ 15:25
- 3Rのリスクとプレミアム
- リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長・慶應義塾大学教授 細田衛士
- 新しい資源循環型社会では、経済的付加価値と環境付加価値の双方を創造することが求められる。どちらも他より一歩先んじて創造・獲得することに大きな意味がある。それを実践する企業には経済的プレミアムと環境プレミアムという2つのプレミアムが与えられる。何もしないという選択は最悪のリスクである。またどちらか一方のプレミアムしか求めないという選択にも大きなリスクがある。もとより、2つのプレムアムを追い求めること自体にもリスクは伴うけれど、不作為に伴って現れるリスクとは次元の異なるリスクである。なぜなら、2つのプレミアムを追い求める際に現れるリスクは、真の企業価値の創造に伴って現れるものであり、創造的破壊の過程で企業が直面すべきものだからだ。新しい資源循環型社会ではまさにこの2つのプレミアムを求めることが求められている。3Rはまだまだ始まったばかりで市民・企業・行政が挑戦すべきことは多くある。プレミアムを獲得する余地はまだ十分のこっているのだ。
- 15:25 ~ 15:55
- 電気自動車「日産リーフ」における3Rの取り組み
- 日産自動車株式会社 環境エネルギー技術部主管 永田敦
- 日産自動車では、地球の環境負荷と資源利用を自然が吸収可能なレベルに抑え、持続的に成長するための長期ビジョンNGP(Nissan Green Program)を策定した。それを形にしたのが電気自動車「リーフ」で、多様なリサイクル材を使用しました。リサイクル材を使用する活動で、リサイクル材を供給する側とリサイクル材を利用する側の両方を経験しました。
今後、リサイクル材を拡大するために克服したい課題を、主にリサイクル材を利用する側から提示します。 - 主な課題:
リサイクル材が必要不可欠な材料となるためには、下記要件を満たせるリサイクル材サプライチェーンを構築すること。- 品質: 天然資源由来材の代替になること
- 量 : 必要な量を供給できること(代替材がある)
- 価格: 天然資源由来材より安価であること
- 16:05 ~ 16:30
- 星野リゾートの環境経営
- 星野代表取締役社長からのメッセージと資料のご紹介
- ホテル業界では、廃棄物対策を最重要課題の一つと認識しつつも、家庭と同様、少量で多品種の廃棄物が毎日排出されるため、分別やコストなどの面で、取り組みは進んできませんでした。しかし、エコロジカルな運営において業界ナンバーワンを目指す星野リゾートは、廃棄物の目標を「運営で排出されるごみの単純焼却・埋立てゼロ」(=ゼロ・エミッション)と設定。軽井沢事業所では、2000年より‘ゼロ・プロジェクト’を立ち上げ、全社員が高い意識を持って取り組んだ結果、100%リサイクルを達成しました。
現在、分別は30種類に及んでおり、例えば最も多く排出する生ごみは提携の酪農家で堆肥化し、その堆肥でつくった野菜の一部は事業所内のレストランで提供しています。分別徹底も絶えず行っており、定期的な資源ステーション巡回の他、1年に1度は全社員でゲーム形式の分別テストを100問全問正解するまで何度も行っており、意識を高く保っています。
(株式会社星野リゾート 軽井沢事業所 環境マネジメント担当 小林崇宏) - 16:30 ~ 16:55