優秀3R推進活動発表会

平成23年度「情報交換会」

平成23年度「情報交換会」開催について

はじめに
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会では消費者・教育機関・産業界・行政など多くの団体が連携し日本全国で3Rを推し進めてゆくことを目的とし、国民的運動を展開することを使命とし3R推進功労者の表彰や3Rキャンペーンマークの使用などの活動を行っております。
こうした会員団体からの参加者に加えて、行政、学識経験者にもお越しいただき、講演をして頂きました。まさに、産学官そして消費者のインターフェースの場が形成されたのです。このような機会がつくれましたことは、ひとえに参加された皆さま方のお力の賜物なのですが、一方当会の特長を極めて鮮明に表していると言えましょう。
当日、65名の方々が御参加下さり、ガラスの3Rについてさまざまな角度からきわめて熱心に質疑が交わされました。収穫の大きかったことは言うまでもありません。より多くの方々にこうした情報に接して頂くために、これらの資料を公開致したく存じます。是非、皆さま方の3R推進活動のお役にたてて頂きたく存じます。

リデュース・リユース・リサイクル推進協議会
会長 細田衛士

【開催概要】
日 時: 2012年3月9日(金曜日)13:30~17:00
会 場: 国際文化会館

【プログラム】
特別講演:
資源効率・循環経済政策に関する動向と今後の政策展開
経済産業省
1.開会挨拶
企画運営委員会 委員長 酒巻弘三
13:30 ~ 13:35
2.来賓挨拶
3Rへの取組の進展と今後の展望
経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課長 渡邊 厚夫
はじめに、3R関連法(資源有効利用促進法、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法)について制度の概要及び現状を説明しました。
次に、レアメタルのリサイクルに係る現状と課題について、中国をはじめとするレアメタル産出国の輸出政策や産業構造審議会での検討経過等を紹介しました。
最後に、リサイクルに係る国際的な取組について、我が国の企業が有する高度なリサイクル技術・システム輸出の状況や、日本企業のアジア各国での事業展開の状況等について紹介しました。
13:35 ~ 13:50
3.講演①
使用済み自動車からの板ガラスリサイクル
東京大学 大学院マテリアル工学専攻 准教授 松野 泰也
わが国でのガラスの生産量は2010年において約450万t/yであり、ガラス産業は5番目に大きな素材産業である。その中でも、容器類、板ガラスの占める割合は7割程度と大きい。ガラスビンのリユース・リサイクル率は高いが、板ガラスに関してはリサイクル率は低く、社会中の製品にストックされている量から鑑みても、今後リサイクルを推進することが必要である。
本講演では、平成21年度の経済産業省の3Rシステム化可能性調査事業「合わせガラスのリサイクルに関する調査研究」および東大内において実施した使用済み自動車からのガラスリサイクルの事例研究(マテリアルフロー解析、環境・経済性評価)により得られた成果を概括した。
13:50 ~ 14:20
3.講演②
液晶パネルガラスリサイクルの現状と今後の取り組み
東芝モバイルディスプレイ 技術統括部 参与 須永竹英
情報通信技術を駆使した各種商品・サービスが数多く誕生しており、誰もが情報通信技術を利用できる環境が進化している中、ディスプレイは人と情報のインターフェイスの役割を更に発揮するため高度化され、各種商品・サービスに組み込まれたディスプレイは市場に広く浸透した。
環境と調和した資源の循環システムの構築が求められており、材料産業と電気・電子機器製造業の中間に位置する液晶ディスプレイ産業が取り組んでいるタッチパネル液晶ディスプレイの環境配慮設計、保水セラミックスパネルに他用途化によるリサイクルなどの3R活動の事例を具体的に紹介し、懸念される国内外の液晶パネルガラスリサイクルの課題を整理した。今後の液晶パネルガラスの資源有効利用の参考になることを期待します。
14:20 ~ 14:50
休  憩
14:50 ~ 15:00
4.講演①
ガラスびんのリサイクルの現状と課題
ガラスびんリサイクル促進協議会 事務局長 幸 智道
日本のガラス産業の中で、ガラスびんはリサイクルフローを整え、リサイクル(回収・再資源化)の有効性を高めている。家庭・飲食店等から排出されるあきびん(約140万トン/年)は地方自治体の資源化センター等で色別に選別された後、専門業者により再生原料「カレット」に加工されている。
カレットのうち8割強は、ガラスびん工場で他の原料と共に溶融され、再びガラスびんに再生利用される。残り2割弱の用途は、グラスウールや道路工事用路盤材などである。
現状、ガラスびんのリサイクル率は約67%であるが、さらにカレットの使用量を増やすことは可能であり、回収フローの中での発生ロスを減らすことが課題となっている。また、混入した耐熱ガラス(食器・理化学機器等)の選別除去技術開発も課題である。
15:00 ~ 15:20
4.講演②
板ガラスリサイクルの現状と課題
板硝子協会 旭硝子株式会社 工藤 透
建築及び車両の窓などに使用される板ガラスは、その流通工程の加工工場や販売店から回収されリサイクルされている場合はあるが、ガラス使用製品使用後(解体建築物や廃車)からの回収・リサイクルはあまり行われていない。その理由には、経済面以外に、板ガラス製品品質を保持するための技術的側面が大きい。
板硝子協会では、2004年以降、LCAによる環境負荷の増減を確認しながら、板ガラスのリサイクルを検討してきた。異なる部材との複合化が進む高機能化ガラス製品として需要が拡大している建築用合わせガラスについて、そのリサイクル技術の開発と、広域再生制度を利用した回収システムの構築を進め、 2009年からその回収リサイクルを開始した。
15:20 ~ 15:40
4.講演③
企業連携による廃自動車ガラスリサイクルの高度利用
ヤマコー株式会社 ELVリサイクル事業部 岡本裕臣
ヤマコー(株)広島資源循環プロジェクト(民間企業27社、4大学・1研究機関、総勢55名)の主要メンバーで、毎月1回 広島のマツダ本社に集まり、「廃車由来素材のCAR to CAR」、「ASRの削減」、「国内資源循環」をテーマに活動しています。
自動車ガラスは現在リサイクルされること無く多大なエネルギーを使ってスラグ化され埋立処分されています。また、破砕工程、ASR再資源化工程、素材の精錬工程で環境面、コスト面の大きな障害となっています。
自動車リサイクルの入り口である解体工程でガラスを事前除去すれば後工程にどのようなメリットがあるか仮説を立て検証を行い、その実証に向かって活動している中間報告として講演させて頂きました。
15:40 ~ 16:00
4.講演④
ガラス再資源化ネットワークとガラス再資源化・最先端技術
ガラス再資源化協議会  代表幹事 加藤 聡
平成11年ガラス再資源化協議会が設立され廃棄ガラスの再資源化に関する行政との連携及び大学研究機関、産業界との環境技術開発を実施。ガラス産業は板硝子協会、日本ガラスびん協会などの連合体としてガラス産業連合会が構成。ガラス産業の形態は建築・自動車分野、ディスプレイ分野、情報通信分野、ガラス食器等の生活用品分野、びん・断熱材等の5つの分野に大別される。リサイクル率の高いびんガラスでも色つきびんのマテリアルリサイクルは難しく、建築・自動車板ガラス、液晶ガラスに至ってはほとんどが廃棄されている。ガラスびん他用途開発された環境配慮型セラミック・クリスタルクレイは、CO2排出を45%削減した。液晶ディスプレイ、太陽光パネルの研究開発が進んでいる。
資源循環型リサイクル社会構築には多くの産業分野の協力が不可欠で、経済を支える産業界は動脈産業でありガラス再資源化を推進するのは収集・運搬から再資源化・再商品化を担う静脈産業がネットワーク化されることが重要。ガラス再資源化協議会もサプライチェーンを構築すべく研究開発を実施中。
16:00 ~ 16:20
5.意見交換会
司会 ガラス再資源化協議会 加藤 聡
16:20 ~ 17:00